【進撃の巨人アニメ4期】ネタバレありアニメレビュー|驚愕の作画クオリティと驚きのないストーリー

先日、アニメのファイナルシーズンの放送が終わった進撃の巨人。私は毎週放送を待つのが嫌なタイプなので、最終話までプライムビデオで配信されてから見始めました。

私の進撃の巨人知識量について

原作完全未読、アニメ視聴だけです。

アニメは原作からの改変があるようですが、そこら辺はよく分かりません。

アニメだけを見ての感想だけなので、超絶にわかな妄想混じりの感想になります。

以後ネタバレありです!ご注意ください!
ついでにアベンジャーズのネタバレも含まれます!アベンジャーズ見ろ!

進撃の巨人 The Final Season
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は-進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなけれ...

作画のクオリティがとてつもないが…

最初に見てとにかく思ったのが、作画、アニメーション、カメラワークなどのクオリティが他のアニメから抜きん出ている。ということ。

具体的には

  • 被写界深度的な表現
  • 映画の長回しのようなカメラワークや構図
  • キャラクターのアニメ離れした演劇のような動き(カメラが固定されたシーンで多く感じた)
  • チラチラ動く目の光や、写実画のように細かく描かれた背景や小物

中でも特に「異次元のアニメだな」と思ったのが、最後の写実的な背景や小物。

エレンが飛行船で拘束されているシーン。エレンの顔がアップになった時、背景の木板に細かいキズまで描かれていたことに驚愕。リアルに描かれた小物と背景でアニメとは思えないほどの立体感が生まれていて、今までのアニメとは別次元の空間表現になってました。

挑戦的なキャラの作画、演劇的なアニメーションは崩壊している時も…

写実的な背景や小物類がリアルな空間を生み出している一方で、逆に微妙だったのが演劇的なキャラの作画とアニメーション。

序盤で建物からミカサか誰かが画面奥から手前に歩いて来るシーンは、そのキャラが誰かわからないほど作画崩壊していた。顔だけじゃなく体型も崩れていて完全な作画崩壊。動きも不自然で、都市伝説の「くねくね」のような動き。

制作がMAPPAに変わったそうなのでユーリオンアイスの技法が使われていると思うのですが、こういったアニメらしくない表現は上手くいっていないと思えた。

手の混んだ表現なはずなのに、逆に手抜きな雑作画と思われそうな崩壊っぷりで、「こんな実験的なことを進撃の巨人でやらなくてもなー」と思った。

キャラについての印象

エレン

3期の最後で受け継いだ記憶のせいでおかしくなっていましたが、それが4年で悪化して、かつてのエレンは消えてしまった印象。

終盤で、仲間と違う思惑を持って行動しているのは分かりましたが、それでもあの性格は好きになれなかった。

エレンは熱血主人公という枠に収まらない愚直さと、咆哮を上げて立ち上げるあの熱さが魅力だったのに、そういった良い所が全て消えていた。まだ放送されていない最後の方で、本心とあの熱さが見れるのだろうか?

独房で上半身裸になっていた時はどのキャラよりも筋肉があって体もデカイのに、服を着るとひょろひょろ体型に描かれちゃうのが残念。終盤で髪を結んでパーカー?的な服装になってからは、どこのモデル体型キャラだよと。

ジーク

「すごく嫌な奴だけど何かまだ視聴者(読者)が知らない事を知っていて、『エレンを助ける』というのも本心なんだろうな…」と3期を見て思っていた。

その理由が最終盤で判明。エルディア人がこれ以上苦しまなくなるため、手段を選ばず行動していることも判明。分かりやすく言うとアベンジャーズのサノス。まあそういうキャラだよなー。

本人の置かれた環境も過酷で悲運。もうこれ以上、不条理な苦しみをエルディア人が受けなくなる世界を作ることを自分の使命とした。

その経緯が明らかになる回を見れば完全に裏の主人公…なんだけれど、その過程の中で自分以外の人間を人間として見なくなったのか、基本は悪人。

4期でも相変わらずリヴァイの部下などを楽しそうに殺していたり、誰かを犠牲することに抵抗が無くなっているどころか楽しんでいる節があって、やっぱり悪役でしかないと思う。

ミカサ

髪が短くなっていてちょっと残念。初登場した巨人戦ではリヴァイと見分けがつかなかった。

終盤のエレンの話では、アッカーマンは超人的な身体能力と絶対的な忠誠心を植え付けられた王の近衛一族で、幼少時のあの事件で一族の能力と洗脳が発動した…とのことだったが、エレンへのヤンデレめいた愛情を持っているのはそのせいじゃない気がする。

サシャ

どこかでネタバレを受けて途中で死ぬことを知っていたので、そのシーンで特に思うことは無かった。

たしか「2期か3期の巨人と弓で戦うシーンで死ぬ予定だった」と作者が言っていた気がしますが、それがこういった全然違う場面に変更されて、「ガビとサシャ」で色んなキャラ関係を描くのは「こう繋げるのか!」と感心しました。

本来はずっと前に死んでいたはずのサシャで、新キャラ ガビの物語を進展させていくのは、物語は粘土細工のようなんだなと改めて感じました。

クリスタ

いつの間にか妊娠していた。サシャの死について反応が何も描かれなかったのは残念。

あといつの間にか妊娠していた。は?

ストーリー展開について

3期の最後から感情が希薄になったエレンが、より達観というか諦観に入ったような人物になっていて、これが一番もやもやした。

ジークの目的も最終盤で判明。エルディア人の人権の挽回でもなく、マーレへの忠誠でもなく、「エルディア人を安楽死的に絶滅させる」ことだった。

巨人安楽死計画」というワードはちらっとツイッターで見かけていた。これでその意味が分かりました。

これは「エルディア人がいなくなれば、エルディア人以外が苦しむことも、エルディア人が苦しむことも無くなる」という考えから生まれた計画だった。

生きていなければ、存在しなければ苦しむ事もない。

生まれなければ、始めから存在しない。

今のエレンには、エルディア人全員の身体を作り変えられる王の能力(能力名忘れた)があり、それを使って子供の作れない体にすれば、エルディア人はゆっくりと死滅していき100年後には存在しなくなる。誰も苦しまなくなる。

エルディア人が置かれている地獄は終わる。

という計画だった。

仏教の解脱に似た考えですね。(仏教は本来、自己意識の無い、欲望も苦悩も何も無い「涅槃」へ行くことを目的としている)

最終目標が「全員死ぬ」なせいか、エレンもジークも目的のためにはいくら死者が出ても意に介さない。むしろ死んだ人を「救った」と言ってました。アベンジャーズのサノスも同じ理論で、同じことを言ってましたね。

そうそう、理念と行動がサノスと似ているせいか、エレンとジークがサノス陣営に見えて仕方ありませんでした。もちろんインフィニティ・ウォーの、自分の全てを犠牲にして人類の延命を達成したサノスの方です。

ジークと接触したエレンも、父の記憶を引き継いでユミルの民の置かれた悲惨な環境や苦悩を知り、それに賛同したと。

エレンもその目的のために動き始めたからか、子供だろうが知人だろうが死んでも構わなくなっているようで、感情も全く顔に出ないようになったようでした。

ただ終盤で「たたかえ、たたかえ」と決意を固めたシーン以降(ハンジに茶化されたやつ)、アルミンやミカサを無駄に傷つけたのは、自分の死期が近いから一番身近な人達にあえて嫌われようとしているように感じた。アイアンマン2のトニーみたいに。

その後でジャンが「なにか意図があるんじゃないか?」と言ってましたが、掘り下げる前に次の展開になってしまってうやむやに。ここらへんは最後の最後で意図が分かるんでしょうか。

3期でエレンの父が進撃の巨人を前任者から引き継ぐ時に「ミカサを救えるのはお前だけだ」と言われて(ミカサもエレンも生まれる前)、その時に「もしかして〇〇の巨人を継承した人間は、ただ前任者の記憶を受け継ぐんじゃなくて、クラウドのような場所に記憶を自動バックアップして、継承者はそれを共有している?」と思った記憶がある。

この辺の謎がまだ消化されていないので、このあと更に安楽死計画と違う展開になっていくような気がします。

テンションの上がるシーンが特になかった…

進撃の巨人といえばテンションの上がる戦闘シーン。

しかし今期はそれがほとんど無かった印象。BGMも1期や2期のような存在感がなかった。

今期は戦闘よりもストーリー展開に重点があるのは明らかで、キャラ同士の感情のぶつかり合う場面が今までで一番多く、心がぞわぞわするシーンは多かったです。

なんというか、アニメ離れした作画もあって、ゲーム・オブ・スローンズを見ているような感覚になりました。

戦略、政治、戦争、復讐、この辺がメインになっていて、戦闘は戦槌の巨人戦くらいしか盛り上がるところがなかった。

盛り上がりとは違いますが、エンディングの曲は素晴らしかったです。

1期からのOPED、どれと比べても一番良い曲でした。あの曲だけで鳥肌が立つ。

ファイナルシーズンなのに未完…🍊

最終的に、「来いよライナー!」で打ち切りエンドみたいなところで終わってしまったのが残念。

ファイナルシーズンといいながら、16話で途中で終わってしまった。

今年の冬あたりに続きが放送予定だそうです。

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