青春もの・恋愛もの・感動ものが一番苦手なジャンルなので興味があっても視聴を避けるのですが、なぜかプライムビデオはそういったものを厳選しておすすめしてきます。
いつもは”ｸﾞｯ!！”とこらえてスルーするのに、思わず見てしまったのがこの「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」。
このアニメも放送前にチラッと紹介記事を見て、
「サラリーマンと家出女子高生。絶妙な関係の心温まるストーリー」
…みたいな内容と書かれていたけれど、タイトル見ただけでも、
そうはならんやろと。
見る前の印象・ストーリー予想
- 家に泊めてもらう代償として体を売る、いわゆる「神待ち少女」を題材として、「神待ち少女が安易にヤラない男と出会ったら」という話？
- 「家出少女」というワードだけで、ヒロインが主人公に会うまでどれだけ体を売ってきたか、どんな環境から逃げ出してきたかが想像されてツライ
- 「女子高生を拾った」のを「ひげを剃る」と同列の、日常の出来事のように淡然と扱った感じのタイトルがなんか嫌
レビューをチラ見したところ、女の子の境遇や「二人がどういう関係なのか」よりも、
これは犯罪！
未成年者略取誘拐！
気持ち悪い！
などの設定面での批判と、
これはフィクションです！
現実と一緒にしないでください！
気持ち悪い？これは現実に起きている問題をテーマにしています！
といった擁護のレビュー合戦になっていて、作品の内容に触れたものは上位にはほとんどありませんでした。
全く参考にならなかったので、意を決して見てみることに…
いざ視聴つかまつる…！
はじまりのあらすじは
・26歳のサラリーマンが5年片思いしていた先輩にフラれてやけ酒に走って泥酔する
・その帰りに電柱の下でうずくまる女子高生と出会う
「ヤラせてあげるから泊めて」
笑顔で言った。これでこの子は体を売るのが日常になってしまっているのが分かった。
・男は「ガキには興味がない」となんとか理性を保ち断る。が、結局泊めることに。
・女の子は、男が寝る前、男が起きた後にも誘惑する。
「今まで泊めた男は全員ヤッてきたのに」。このセリフで、この子がずっとこういう生活を続けてきたことがわかり、その誘惑に負けない主人公が特別という描写になった。
・男は女の子が北海道から来て（舞台は東京）半年間家出をしていると聞き出す
・女の子は「誰も自分の事なんか気にしていないから大丈夫」と涙声で言うが、男は「女の子の親は心配している」となぜか勝手に決めつけた。
この男、どれだけ平和な家庭で育ってきたんだ。
学校や家から抜け出して体を売りながら生きている女の子を見ながら「なんでこいつは普通の青春を送れなかったんだ」なんて思っちゃう男。
その後のストーリーの為なんでしょうけど…なんだこいつっていう。
その挙げ句、そうやってなんとか生きてる女子高生に、
「人の好意に甘えているだけ」
「人生を考えていない」
「甘ちゃんすぎる」
と声高に説教。
その上で「俺がその根性を叩き直してやる！」と謎の思考過程を経て、「この家の家事をやればここに居ていい」とした。
もうここで無理。
話を「家出少女と歳の離れたサラリーマンの共同生活」に持っていくためとはいえ、平和な幸せ家庭育ちな考えで女の子の持つ背景を考えもせず、男が「俺が叩き直してやる」は無理矢理すぎて無理でした。
見るのをやめる前にチラっと飛ばしたら、出会いから一週間くらい経っていて、少女が体験したことのない「普通の生活」を与える男と、戸惑いつつも普通の事に感動する女の子の構図になっていた。多分。
「僕だけがいない街」のヒロインかと思ったらそうでもなかった女の子が、虐待されている家から主人公に連れ出され、主人公の家で普通（にしては豪華な）の朝食を出されて泣いたシーンを思い出しました。
男はかわいそうな境遇の女を見ると救い出したくなる「カメリアコンプレックス」（椿姫症候群）ってやつですかね。
おそらくこの後の展開としては、男が「女の子に普通の生活をさせる」ストーリーになりそう。
そのうちに女の子の過去が判明して、それを知った男が女の子への愛情が増したり。女の子が男の元を離れようとしたり。二人が別々の道に行こうと一悶着したりして、結局恋人か結婚で終わる気がする。
そんな感じの、伝説の同人ゲーム「Teaching Feeling」みたいな話になるんじゃないでしょうか。
Teaching Feelingは、ある日突然、ずっと奴隷として生きてきて感情も無くなった少女を引き取り、その子に「普通の生活」をさせて、幸せにさせていく。という話、だったはず。
この「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」も、”絶妙な関係の心温まるストーリー”との表され方が間違ってないのなら、そういう展開になっていくと思います。
1話切りとなった理由
1話切りした理由としては
- 二次元のかわいい子がつらい目にあっている作品は見たくない
- ストーリーのためとはいえ、主人公の男が女の子の状況を顧みずに説教するのが意味不明
- 女の子のつらい過去や家庭状況が出てきそう
- 絶妙な関係というほど歳が離れているわけでもなく、普通にカップルの話になっていきそう
といった感じで撤退しました。
男が女の子に共感も同情も理解もせず、「俺が叩き直してやる！」…というのは本編への導入部分であって、さして重要ではないのは分かります。
これも「サラリーマンと家出少女の絶妙な関係の日々」を描く作品らしいので、導入は重要ではないとは分かるのですが…、「１話だけ、どんな作品なのかだけ見てみよう」という人間には、視聴を辞めるだけの理由になりえました。
YouTubeで、長い導入はすぐ離脱されるのと同じですね。いや違うか。
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